2007年06月09日

Stellarium News

Stellarium 0.9.0リリース!(06/06)


 Stellariumチームは、オープンソースなプラネタリウムソフトであるStellariumのバージョン0.9.0をリリースしたことをお知らせします。Stellariumは、まるであなたが肉眼や双眼鏡や望遠鏡で夜空を見上げたときのような、本物そっくりの星空を表示します。是非、試してみてください。

バージョン0.9.0の新機能は以下のとおりです:
  • Hipparcos、Tycho2、NOMADの巨大な星表データを採用(これらのうちいくつかは、別途ダウンロードすることで利用可能になります)
  • 新しい地域の星座:ラコタ(アメリカの先住民族)、ナバホ(アメリカの先住民族)、イヌイット(イヌイットに関してはJohan Meurisによる星座絵もついてきます)
  • 新しい投影方法: Orthographic, Lamberts Equal Area, Cylinder
  • 惑星の座標がより高精度に
  • 彗星のような天体を追加可能にする、新しい軌道計算クラス(ただし、まだ特別な表示はされず、惑星と同じように表示されます)
  • Windowの動的なサイズ変更。WindowsとMac OS Xだと、フルスクリーンのオンオフを軌道中に切り替えられます
  • 惑星を選択中に、Ctrl+Gを押せば観測者の座標をその惑星まで移動してくれます
  • 背景の設定項目の中にその背景画像の座標を指定できるようになりました
  • 地球(街の座標)、月(各種観測ミッションの位置)、火星(各種観測ミッションの位置)の新しい座標の追加
  • 新しい背景画像:Garching(ドイツはミュンヘン近郊の都市)
  • 背景やスクリプトのインストールが簡単になるようデータファイルの構造を変更
  • いくつかの星雲画像を更新:より正確に星雲画像を配置
  • 数多くのバグの修正と、Stellarium用の拡張機能を簡単に作れるようにコードの大幅な変更を施しました(ただしAPIはまだ確定したわけではありません)。


バグレポートや、バグの修正、翻訳やパッケージングなど、リリースのために手伝ってくれた全ての人に感謝します。WikiにはStellariumを手伝うための方法が書いてありますので、興味のある方は是非よろしくお願いします。

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以上、ニュースの翻訳でした(原文)。
以下はChangeLogにのみ載っていた新機能です。

  • 複数の星座を同時に選択可能に
  • TUI表示時に、スクリプトディレクトリを再読み込みする
  • キーボードで恒星日/恒星週単位の移動が可能に(Alt -, Alt =, Alt [, Alt ])
  • Jpeg画像の読み込みが可能に
  • メインウィンドウはSDLの代わりにQT4.2を使うように
  • 惑星間を移動した場合、タイトルバーの表示を変更する
  • autoconf/automakeの代わりにcmakeを使うように(このバージョンではまだ古い方も使えます)

これにあわせて前回のニュースで紹介したタスクリスト(Google Spreadshetts)も更新されています。

以下、些細な情報


 まず、必要なパッケージが0.8.xから大幅に変わっています。こちらのページを参考に、必要なパッケージをインストールしてください。Ubuntuでaptitudeじゃなくてapt-get使いたい場合、あげられているパッケージにgettextを追加してください。

CMakeが採用されたので、Linuxのインストール方法が変わります。従来の./configure;make;sudo make installではなく、
cmake .
make
sudo make install
を使用してください。また、従来どおり日本語表示のための設定も必要です。

星の描画はだいぶきれいになっているのですが、日本語表示関係の問題は直ってませんというか悪化しています。0.9.0はどちらかというと内部コードの可搬性を高めるための改良がメインだったので、外部からのパッチはひとまず置いておくという方向性を採られたようです。もし、英語ロケールと日本語ロケール両方を使いたい場合は、0.8.2のままアップデートしない方がいいかもしれません。ずっと日本語のまま使うというのであれば、特に目立った問題は生じないはず。


 また今回はSDL/autotools→Qt/CMakeへの移行が始まってから初めてのリリースです。個人的にはStellariumで使われているのに惚れ込んでSDL/autotoolsの勉強を始めたばかりなので、移行されるとちょっとショボーンなのですが。

CMake採用の理由はおそらくマルチプラットフォーム対応につきるでしょう。もちろんautotoolsもWindowsで使えるのですが、なんかいろいろと難があるそうです(Cygwin必須とか?)。CMakeはVC++などでも使えるとかなんとか。

Qt採用の理由はわかりません。マルチスレッド対応の容易さとかあるのかな。個人的にKDEよりGNOME派なんで、どうせならGtk+を採用して欲しかったのだけれども。ただ、SDLから脱却してくれれば「一般的なIMを使った日本語入力が可能になる」というとてつもなく大きなメリットが待っているので今後の更新に期待です(今回はメインウィンドウだけQt化なので、あまりメリットはない)。
posted by しぐま at 21:41 | Comment(2) | 天文学と教育

2007年05月11日

Stellarium News

Stellariumの開発者たち、ミュンヘンで会合す(5/1)

 Webを介しての長い協同作業を経て、4月25日のミュンヘンで Stellariumの開発者たちはとうとう出会うこととなりました。この会合には、チリにあるラ・シヤ天文台やVLTを擁するパラナル天文台も所属する南半球におけるヨーロッパの宇宙研究機関であるESOが協力してくれました。ESOはミュンヘン近郊にあるGarchingという街に本部を置いているのです。

ESOは、プロの天文学者が巨大な天体アーカイブを利用する際に、魅力がありかつ容易に使える道具として、Stellariumに興味を持っていました。そして、StellariumのプロジェクトリーダーであるFabien Chereauがその開発に注力できるよう、彼を雇うことにしたのです。

この会合では、まもなくリリースされるであろうバージョン0.9.0についてや、バージョン1.0に必要とされる機能について話し合いました。それらの機能一覧については、以下のGoogle Docsで参照することができます:タスクリスト

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以上、ニュースの翻訳でした(原文)。
以下はタスクリストの翻訳、あくまでリストで背景がわかんない部分もあるので、雰囲気だけお楽しみください。
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0.9.0リリースまでの作業(2007年6月の最初の週にリリース予定)

  • 観測場所タブの街の座標を修正
  • 現在地の惑星における地図を表示
  • タイトルバーに現在地の惑星名を表示
  • 惑星間を自由に移動できるようにする
  • 彗星と小惑星の位置の表示
  • Windowsにおけるconfig.iniの保存場所を$HOMEに
  • 各地域の星座の翻訳
  • 背景に対して月の明りを作用させる
  • ファイルの再編を完了させる
  • 点滅や空白などのスプラッシュ画像の問題を改善
  • 高拡大時には星雲の画像を表示させないように
  • 月や惑星の明るさを表示する際に目の効果を考慮
  • landscape.iniに惑星とその場所の情報を含むようにする
  • より高度なテスト作業を導入する
  • 月の暈を変更する
  • スクリプトにおけるMoveToを修正する
  • poファイルの整合性を確認する
  • メインウィンドウをQTベースに、ただし当分はSDLを使用する


0.9.1リリースまでの作業

  • 暗い天体の光度と大気の効果を修正する
  • WindowsにおけるTimeZoneを修正する
  • 天体のデータベースを修正する
  • boost::filesystemをQTによるファイル操作に変更する


0.10.0以降で、要求度の高い作業

  • QTベースのGUIに変更する
  • 時刻の入力を簡単にする
  • 位置の変更を簡単にする
  • ユーザのレベルによってGUIを変更する
  • 恒星時を表示する
  • コントロールパネルで外部プラグインを導入できるようにする
  • 地球以外では大気が表示されないようにする
  • 彗星と小惑星を描画する
  • 海王星の衛星を表示する
  • 母天体に衛星の影を表示する
  • 環に惑星の影を表示する
  • 新スクリプトエンジンの採用
  • 恒星のレンダリングを改善する(星のスパイクを表示できるように)
  • 順応視力の改善
  • ブラウザ用にMIMEタイプを登録する
  • 星の光度をより操作できるようにする
  • 星雲の描画を改善する
  • 捕食による表示モード
  • ナイトビジョンモードの改善
  • 新しいアイコン
  • モジュールによるI/Oの改善
  • 基本となるコードの整理とコメントの追加
  • 操作・リファレンスフレームなどの改善


より長い時間が必要な作業

  • スクリーンセーバーのパッケージ
  • 背景と観測場所をリンクさせる
  • 地球以外の大気モデルの導入
  • 小惑星の3Dモデル
  • 背景の3Dモデル
  • 複数ディスプレイ
  • 複数のCPUやマルチスレッドの対応
  • GLSLを利用したGPU描画コード
  • 別のレンダリングエンジン(Cairo、Postscriptなど)
  • 低速CPUモード
  • コマンドラインオプション
  • バッチモード(スクリーンショットを撮って終了させる、みたいな)
  • StelCoreインスタンスを複数に
  • 恒星データを動的にロードする
  • 星座絵を増やす
  • モジュールの追加・破棄
  • 全てのコードの整理とコメントの追加


リリースとは独立して外部モジュールとして実装する予定の機能

  • 人工衛星
  • 線や矢印を追記できるように
  • インタラクティブな描画
  • 望遠鏡用のFOV
  • GUIを隠すモード
  • DSS背景(?)
  • イベントに対するタイムラインの表示
  • プログラム内部における望遠鏡操作の開始
  • 星座の簡単な編集
  • 選択した天体に対してより多くの情報を表示できるように
  • 拡張機能をプログラム内部からダウンロードできるように
  • 動画の再生機能


それ以外の作業

  • テスト用にダミーのQTモジュールを作る
  • QTの依存性は操作可能
  • automake/autoconfからcmake/jam/qmakeへの移行方法を調べる
  • QTなソフトを翻訳するときにRosettaを使う方法を調べる
posted by しぐま at 06:29 | Comment(0) | 天文学と教育

2007年02月27日

布教活動

 Stellariumのトップページの日本語版ができました。Wikiへのリンクも日本語化されたページに飛べるようになっています。また、諸般の事情で0.8.2用日本語マニュアルのリリースはあきらめました。0.9.0がリリースされ次第、正式な日本語マニュアルをリリースすることになりそうです。それまでは、こちらの暫定版で勘弁してください(0.9.0用の記述も混じっているので、若干0.8.2と挙動が違うところがあります)。

その0.9.0のリリース時期は今のところ未定のようです。ユーザによる機能の拡張がしやすくなるように、あとSTLやBoostの利用を本格的に進めていったために、内部的な処理が大きく変わっているそうで。つまりいまだbuggyです。

とりあえず、日本語を使う上で問題となりそうな点(特に「言語」の変更処理あたり)を中心になるべく詳細に解決方法も含めて報告するようにしていますが、どれだけ聞き入れてもらえるかは不明……。他に気になる点があったら、是非教えてください。原因がわかれば、修正点を報告するようにします。でも、C++/STL/Boostに関してはさっぱりなんで、ちょっとした問題でも解決方法を探すのに時間かかっています……。まぁ、勉強にはなるんですけど。
posted by しぐま at 15:46 | Comment(0) | 天文学と教育

2007年02月02日

小心者

 少し前にリニューアルされたという、Google グループをうろちょろしていると、Open N-Body Rendererという面白そうなグループを発見。

N-Bodyとは「N個の粒子」ということ。例えば銀河系のシミュレーションをするときなんかは、個々の星を質点の粒子と考えてそれぞれに対して重力がどのように働くかを計算していきます。この場合、シミュレーションの目的や計算機の性能、計算方法によって扱う星の数(N)を決定します。だから、このような計算は「N体シミュレーション(N-body simulation)」なんて呼びます(もちろん粒子として考えずに計算する方法もありますし、それらを複合して利用する方法もあります)。

で、上記のグループはそれらの計算結果を簡単に可視化し、考察や議論、発表に役立ててもらえるようなツールを作ろうという話みたいです。オープンソースで、なるべくプラットフォームに依存しない形で、しかも日本人が。いいいいね、すごくワクワクするね。

是非、自分も開発に積極的に参加していきたいところ。でも躊躇している理由が二つ。まず、自分の知識・技術が他の人たちに比べるとほとんどゼロに近い状態であること。そして、もう一つは参加している人達が大物ばかりであるということ。恐れおおくて発言すらままならないデスヨ(なんか学を志す者としてはかなり問題ある発言だな、これ)。

とりあえず当分ROMっておこう。そして、自分にもできそうな雑用が見つかったらこっそりと参加して、少しずつ取り入っていこう(人としても問題あるような気がしてきた)。
posted by しぐま at 16:31 | Comment(0) | 天文学と教育

2007年02月01日

置いてけ堀

 何度か話題にしている、プラネタリウムソフト「Stellarium」。以前、日本語マニュアルの仮翻訳を終わらせて以来、忙しさにかまけて放置中だったのですが、ひさしぶりにサイト行ってみるとなんかいろいろ更新されてました。

とりあえず内部的には0.9.0リリースに向けて、どんどん改修が進んでいるようです。0.9.0までにマルチバイト文字関係の整理を……なんて自分の企みは完全に崩壊(自業自得)。マニュアルの方も整備されているようなので、とりあえずそっちを片付けて、Wikiの更新分を反映して、現在のコードの振舞を自分の中で整理して……、やりたいこといっぱいだ。
posted by しぐま at 20:07 | Comment(0) | 天文学と教育

2007年01月20日

りんご製にあらず

 今世紀最大級との呼び声高いマックノート彗星(McNaught C/2006 P1)。現在、マイナス数等級にまで明るくなり、南半球を中心にさまざまな画像が届いています(Spacewatcher.comの特設ページ尾がすごい写真はこのへん。APODでも9日13日15日18日19日や他の日にも写真と動画あり)。

南半球の人達いいなぁ。先週話題になったときは、太陽近くにあるんじゃ肉眼で見るのは無理(&危険)か、と諦めていたのですけれども……まさかここまで成長するとは。

今日辺り、日本でも日没後の西の空に彗星の尾だけでも見えるかも、ということで見に行ってきました。幸い、空は雲ひとつないほどの快晴。仙台からだと西が開けている場所はないのですけれども、それでも高いところに登ればある程度低い高度も見渡せます。

日没後すぐ17時前から完全に真っ暗になる18時ぐらいまで観測してみましたが……不発。一番星である金星はもちろんのこと、細くうすーい月もなんとか見える状況だったのですけれども、目を凝らしても尾らしきものは発見できず。

たぶん本日撮影分がそのうちいろんなサイトにあがってくるはず。それを参考に明日もチャレンジしてみよう。
posted by しぐま at 21:33 | Comment(4) | 天文学と教育

2007年01月18日

消えゆく鷲

 アストロアーツ経由、赤外線望遠鏡スピッツァーの観測によると、わし星雲は既に崩壊している可能性があるらしい。しかも6000年ぐらい前に。まじですか。この前こんなこと書いたばっかりなのに。まぁ、星じゃないし肉眼でも見えないからいいか。

てことはあれか、この数百光年の領域では、星の寿命<星形成に必要な時間ってことなのかな。超新星爆発を起こした星も、三本柱の先端で雌伏している星も同じ世代の星と考えていいんだよね?

それとも爆発を起こしたのは前の世代の星なんかな。前世代の星寿命の星が超新星爆発を起こして、星間ガスを供給して、重力収縮を始めて、新世代の星が生まれて、恒星風で三本柱が形成された頃に前世代のより長い寿命の星が爆発?

うーん、どっちが妥当なんだろ。いずれにせよ、わし星雲(M16)の中心部の暗黒星雲と言えば、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像の中でも、もっともメディアで利用されている絵のひとつ。これを1000年後の子孫は生で見られないかもしれないとなると感慨深い物が……いや、今でも画像処理した絵でしか見られないんだけれど。
posted by しぐま at 19:10 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年12月22日

♪遠くー遠くー

 主に宇宙関係の世界のニュースをわかりやすく解説してくださっているlizard-tail studioさんのところで知ったのですが、スペースシャトルの宇宙飛行士が船外作業中にカメラをおっことしちゃったそうです



作業をしていたのは、スニータ・ウィリアムズ(Sunita Williams)宇宙飛行士。20秒過ぎぐらいの彼女の右下に注目。白いカメラがくるくると回りながら遠ざかっていきます。オペレーターから「カメラが落ちてるよ」と言われて気づいたときには、もう届かないところまで行ってしまって、ただ眺めるしかない彼女の背中からものすごい哀愁が……。

だいたい秒速8kmで動く小型カメラ。史上最速?
posted by しぐま at 11:51 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年12月17日

広報という名の教育活動

いろいろ考えたけど、結局自分は既にあるグループに参加するのはとことん苦手だな、という結論に。溶けこむために努力するよりは、(可能か不可能かは別として)0から自分で作りたくなっちゃう。ただ単に主導権を握りたがっているのかな。

逆の立場になる(既存のグループの一員として新人を迎える)こともあるので、そういうことに対するフォローの方法も考えたいのだけれど、自分自身がこの問題を克服し、どうされれば一番いいのかがわからない限り思いつけるわけないだろうという葛藤。
posted by しぐま at 00:13 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年10月29日

世界を史る

 ここ一週間ほど、高校の履修問題が取りざたされています。自分が卒業したのは10年近く前ですが、あそこも世界史は必修じゃなかったような。確か、現代社会ABが必修で、その後世界史・日本史・地理から選択というようなシステムだった気がします(公民は選択肢になかったはず)。そもそもそれだけ前だと指導要領自体違うのかもしれませんけどね。

自分は、当時田中芳樹にかぶれてたので、世界史を選択しました。授業はそこそこ面白かったのですけれども、なんか資料集ばかり読んでいたような気がします。見ているだけでも楽しかったんですよ、あれ。


 そういえば、最初にこの問題が発覚した高校の校長先生が、「日本史を学べば、世界史とも密接に関わっていくから世界史の知識がまったくないというわけではない」なんてことを仰っていました。……そうだっけ?

日本史の教科書も読んだことありますけど、少なくとも補足的説明に終始するだけでまったくと言っていいほど世界史の諸々と関わりがないような気がするんですけど。関わってくるのは江戸末期以降から徐々に?

朝鮮半島や中国はそれなりに出番があるとしても、コロンブスによるアメリカ大陸到達や、ピサロのインカ侵攻なんか当時の日本とどう関連付けるんだろう。しかも一番関わってくる近代は、授業時間不足でほとんど駆け足に教える状態だし……。

やっぱり、日本史は日本史で、世界史は世界史で学ばなければなりませんよ、うん。というか高校レベルなら日本史の平安〜戦国を軽くやって江戸末期から現代までを重点的にやるべきだと思うんですけど、なぜか先生方も一番力が入るのが戦国時代という不思議。
posted by しぐま at 19:37 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年10月27日

コメットさん

 スワン彗星が昨日4等ぐらいになったと聞いて、市内でも見えるかと思い双眼鏡を持って出かけてみました。幸い、明け方から降っていた雨もすっかりあがって、空は晴れているみたいでしたし。

でも、発見できず。まず、位置の目安となるはずだったかんむり座が見つからなかったのです。どうも地平線からそのあたりまでガスがかかっていた模様。といってもヘルクレス座はわかりにくいし……。ベガから南下しながら、高度はこのへんだよな、あの星それっぽいけどどうかなー。ぐらいが限界でした。たぶん、あれだったんだと思うんだけど……。小型の双眼鏡だったせいか、尻尾やひろがりまでは確認できず。

むしろ、三日月過ぎの上弦の月のほうが綺麗でした。最後、真っ赤に染まりながら沈んで行く姿も見られたし。でも、倍率あげると手ぶれが酷いんだよなぁ。あぁ、望遠鏡とまではいわないから、持ち運びのしやすい三脚が欲しい。
posted by しぐま at 22:43 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年10月23日

仙台は普通の雨

 昨日の早朝、世界的にオリオン座流星群が突発的に増大したそうで。リンク先の写真は3時間の露光で20個近くの流れ星が見てとれます。日本でも火球を含めて観測されたようで。いいなぁー。

オリオン座流星群は毎年10月21日ごろ極大を迎える、地味な流星群だそうで。存在すら知らなかったヨ。なんと、あのハレー彗星が母天体です。そりゃ、長い間だ話題にならないわけだ。


 あと、スワン彗星いい感じに増光しているそうです。日没後すぐぐらいに北西の空に。双眼鏡ならばっちし見えるくらい?

問題は、仙台は週末からずっと曇っぱなしってことだ。
posted by しぐま at 19:47 | Comment(2) | 天文学と教育

2006年10月21日

ガイアの寝返り

 と思っていたら、今日のサイエンスゼロは「だいち」の特集でした。どれくらいの性能をもっているのかとか、どのように役立てていくのかとかの話。データは積極的に公開していくとのことなので、教育や災害での利用に期待できそうです。


 災害といえば先日のハワイの大地震。ハワイと言えばマウナケア。マウナケアと言えば大型望遠鏡のメッカ。大型望遠鏡と言えば精密機械の塊。と言うわけで、地震の影響がすごく気になっていましたが、「星が好きな人のための新着情報」に、各国のプレスリリースが掲載されていました。

まとめると
  • われらがすばる望遠鏡は、大きな損傷なし。駆動機系の制度が下がっている恐れがあるため、10月一杯は観測中止。修復・調整に徹するとのこと
  • 双子のケック望遠鏡は、共に大きな損傷なし。ケックIは早ければ木曜日(一昨日)に観測調整開始、ケックIIは部品の調達があるため来週半ば以降になりそう
  • こちらも双子のジェミニ望遠鏡もまた、大きな損傷なし。金曜の時点で機器チェックはほとんど終了し、土曜か月曜以降晴れていたら観測テストが行われる状態とのこと
他の望遠鏡も鋭意調整中みたい。

まぁ、火山の上にあるから地震に対する準備はそれなりにしてあったようです。スタッフ・機器ともに大きな被害はなかったものの、麓にあるベースキャンプの窓ガラスやその他の設備は結構派手に壊れているようで。ケック望遠鏡のサイトにはその手の写真が何枚か掲載されています。
posted by しぐま at 21:04 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年10月20日

なんとなくサイバー

 GIGAZINEより、宇宙天気情報センター。おぉ、なんかかっこいい。

こういうのは地上での観測はもとより、人工衛星や宇宙探査機による観測も欠かせません。たとえば左上にある太陽の画像は、欧州宇宙機関とNASAが打ち上げたSOHOという太陽観測機の紫外線画像ですし、太陽風についてはACEというNASAの探査機に寄るところが大きいです。

先日、打ち上げが成功したばかりの「ひので」(SOLAR-B)も、SOHOの後継機として期待されているものの一台です(SOHOは2007年に退役予定です)。だから、こういう一般受けするガジェットをどんどん出していけばいいのに。宇宙開発に対する国民の理解を得るためには必要なことだと思うんだけど。


 はやぶさはファンが多いのは、ネット上の有志によるところが大きいですよね。もちろん、スタッフが必死にがんばっている姿に感銘を受けたからってのが理由だけど、それを伝える人がいない限り伝わりませんし。

ひのでは積極的に情報公開を行っています。「あかり」や「すざく」、「だいち」なんかも着々と成果をあげつつあるようですが、いかんせんあまり公にはなっていません。プレスリリースはちゃんとだしているんだけどねぇ。

もう「××しましたー」だけのプレスリリースじゃ相手してくんないのかもしれない。今回の天気図みたいに、「おぉ、すげー」と思わせる何かが必要なんでしょうね。素人には難しいし、プロに頼むとなると高くなるんだけど。
posted by しぐま at 23:36 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年10月17日

対訳表作らなきゃ

 Stellariumのマニュアル、ようやく翻訳が一通り終えました。いくつかの誤植とHTML形式での数式が表示されない件は今後修正していきます。
HTML形式
PDF形式
註:これは暫定的なアドレスです。正式採用されたら、たぶん削除します。その場合はStellarium本家のサイトや、そのWikiページに正式なアドレスが掲載されるようになると思います。

原文の誤植はパッチファイルを作ったので、原著者にメールを送るのが第一。その際、0.8.2用マニュアルに向けてのいくつかの提案を送って、0.8.2用マニュアルリリースと同時に日本語版マニュアルのリリースをするのが目標。ある程度、統一性を持たせるために個人的に作業を進めてしまったけど、一度完成して修正方法を書いておけば、今後は人任せでも大丈夫でしょう。
posted by しぐま at 22:05 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年10月13日

遥か遠くの核実験

 よく、星がとても遠くにあることを話題にしたとき、「今、見えているこの星も、実はもうないのかもしれないんだね」みたいなセリフが出てきます。何、この世の儚さを憂えてますみたいな顔してんるんだこの野郎。クサいぞボケェ。ギップル呼ぶぞこんちくしょー。

で、本当にそんなことが起こり得るのかちょっと考えてみました。いや、可能性としては全くないわけじゃないんですけど、どれくらいの確率かな、と。全然厳密な計算はしてないんですけどね。


 まず、「見えている星」は間違いなく天の川銀河に属する星になります。天の川以外の銀河(例えばアンドロメダ銀河)に属する星は、遠すぎて星として見えないのです。肉眼で星として見えるものはだいたい地球から2000光年ぐらいまでの間にあります。ちなみに、天の川銀河の中心までがだいたい2万7千光年、外縁までがだいたい数万光年になります。

2000年の間に星の最後を迎えるとなると、いわゆる主系列星ではちょっときびしいです。よって分類的には巨星・超巨星が対象かな。主系列でもO型B型などの質量の大きな星ならあるいは……ぐらいでしょうか。ちなみに時間間隔としては、太陽クラスの星が巨星から星の最後(白色矮星)までなるのに100万年〜1000万年(詳しい値おぼえていない)、O型B型星の星は生まれてから星の最後(超新星爆発)までなるのにこれまた100万年〜1000万年ぐらいです。

肉眼で見える星の数は約6000個です(視力が良くて、よっぽど好条件の空でない限りこの数は無理かも)。恒星全体の中でO型B型星は数が少なく1%以下だと考えられていますが、O型B型星は明るいので見える星の中には割合多く存在します。だから、6000個の星が100万年以内にいなくなると考えましょう。つまり、1000年に6個なくなる確率です。

2000光年以内にこれらの星があるのですから、星からの光が届くまで最大2000年かかります。よって、6000個の星の中で既になくなっているかもしれないのは約12個ぐらい。おぉ、けっこう多い。ちなみにこれは星がなくなりやすいと考えたときの一番多い数になります。見えている星の残り寿命の平均を1000万年とすると1.2個になっちゃいますし、日本では「見えている星」が6000個よりももっと少ないことを考えると……。


 過去にも近傍の星がなくなることはありました。例えばおうし座にある「かに星雲」は地球から7000光年ぐらいの位置にあるのですが、1000年ほど前に超新星爆発を起こした残骸です。爆発当時の光は、昼間でもよく見えたとのこと。

夜空で一番明るい恒星であるシリウスの隣にはシリウスBと呼ばれる星があります。これは白色矮星という中程度の質量を持った星の最終段階で、肉眼では見えません。つまり地球から10光年というごく近くの星が、過去になくなったわけです。いつごろなくなったのかはわかりませんけど。ちなみに、シリウスは白い星ですが、古代の記録をあたってみると「赤いシリウス」の記述があります。これはシリウスBが数千年前には赤色巨星でシリウスよりも明るく輝いてたんじゃないか、とか、白色矮星になってからなんらかの理由によって急激に明るく輝いたんじゃないか、とか言われています。


 というわけで、見えている星の中で既になくなっているのは1個あるかないかです。まぁ、宝くじ当たる確率よりは高いけど。「もうなくなっているかもしれないんだね」とかいうセリフを吐く人は、そのへんちゃんと理解した上でよろしく。
posted by しぐま at 21:05 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年10月12日

雑誌という存在の未来

 月刊天文が休刊するそうで。残念です。読んだことないけど(ぇ

僕が始めて読んだ天文雑誌はたぶん天文ガイドです。高校の天文部の部室にあったから。ぱらぱらとめくってはみたものの、ほとんど理解できなかったことだけ覚えています。部の予算だったか顧問の先生のポケットマネーだったかは覚えてないのだけれど定期購読していて、毎月読むうちになんとなくはわかるようになってきました。ちなみにこの雑誌のおかげで、入学する大学が決まりました。

大学に入ってからも一年ぐらいは天文ガイドを購読していましたね。やっぱりよくわかっていませんでしたが。特に望遠鏡関係の技術的な話が多かったような。ちゃんと自前の望遠鏡を持つなり、サークルに通うなり、光学系の教科書を読むなりしなかった僕が悪いのです。で、2年くらいブランクがあって、2001年のしし座流星群あたりからスカイウォッチャー(現・星ナビ)を何ヶ月か。スカイウォッチャーは比較的初心者向けだったためか、すごく読みやすかったです。

だから、僕の中では「天文ガイド=上級者向け」「星ナビ=初心者向け」ってイメージがあります。これらとあわせて和製天文三誌の一角をなしていた月刊天文はどういう位置づけだったんでしょう。


 ちなみに東北に来てからは金銭的理由もあってさっぱり。でも、最近SKY&TELESCOPEを読むようになりました。これがよくできています。観測一辺倒ではなく、観測・理論の両面をわかりやすく書いているのです。今月号の特集は、銀河系とアンドロメダ銀河が衝突するときの話。なぜ近付いているのか、いつごろ衝突しているのか、衝突したらどうなるのか、銀河の衝突は一般的なのかなどを写真やコンピュータシミュレーションの図をまじえて丁寧に解説しています。

読者によるQandAもおもしろいです。質問者・回答者ともにしっかりしています。今月号だと、「手持ちの星図と同じサイズの写真を撮るにはどのレンズがいい?」「ダ・ビンチコードで金星が五芒星を描くって書いてあったけど本当?」「天王星を発見したハーシェルはなぜ海王星を発見できなかったの?」「投稿写真で19時間露光とかあるけどどうやってるの?」など。簡潔かつ適切な回答は(答える側としても)すごく参考になります。

英語という点をのぞけば、SKY&TELESCOPEが一番おすすめの天文雑誌です。日本語だと、まずは星ナビでしょうか。個人的に天文ガイドには思い入れがあるのですけど、星ナビを刊行しているアストロアーツはWebによる情報発信にも積極的なのでこっちを推してみました。天文の専門誌にこだわらなければ、Newtonが(特に理論的な分野で)充実していると思います。科学に興味をもってもらう雑誌という信念のもと、ふんだんにCGを使い、平易な文章を心がけているさまには頭があがりません。

そのかわりNewtonは若干高いですね。他の雑誌が600円〜700円なのに対して、Newtonは1000円。まぁ、1500円近くするコンピュータ雑誌に比べればましか。ちなみに、天文学会の準会員になれば年額8000円の会費で、毎月「天文月報」という雑誌が届きます。他の雑誌に比べれば若干敷居が高いですが、充分に楽しめる内容ですので、興味があれば是非。
posted by しぐま at 23:23 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年10月07日

プラネタリウムソフトStellarium 0.8.2

 何度か紹介しているソフト、Stellariumが0.8.2にバージョンアップしています。まだ変更点は確認していないのですが、主にバグの修正が主体。日本語表示のためのあれこれも修正されています。あとはFontManagerってクラスが追加されたのが気になるところ。

と、いうのもユーザーズガイドの翻訳がなかなか進行できず、ソースの追っかけはさっぱりやっていなかったのです。まさかガイドの翻訳が終わる前に0.8.2が出るとは思ってなかった。とりあえず一通り翻訳し終えたので、0.8.2のガイド作成が始まる前に原文のtypoの修正といくつかの提案、疑問点の解決を終えないと。英語のメールって苦手だ……。

ガイドの翻訳で唯一終わってないのが、自前で背景画像を作るところ。風景写真からPhotoshopを使って空の部分を透過させようという話。Photoshopを持っていないので、各種ツールや用語の日本語訳がわかんないのですよ。こんな感じかなと当たりをつけて適当に翻訳するか、Gimp用に書き直すかと悩んでいます。


 今後は0.9.0に向けて動いていくのかな、それまでには検索ウィンドウに日本語検索機能を追加したいなぁ。その前に0.8.2の確認とガイド&Wikiの修正かなぁ。


[追記]
ChangeLogだけ
  • いくつかのスクリプトコマンドを記録できるように(select, pan/tilt, zoom)
  • Win95/98で.dllが足りないバグを修正
  • Sun C/C++コンパイラで動くように
  • David ZH.R. Huangによる文字列表示の不具合を修正(?)
  • MacOSX用のコードを修正
  • GUIでは2文字の言語コードの変わりに、言語名を表示するように
  • 背景のHogeRielenを削除し、Oceanを追加
  • その他多くのバグを修正
  • af vi he mt bg th arなどの翻訳ファイルを追加し、他もアップデート
フォント選択関係のバグ(というか混乱)は未修正のようです。ああ、時間作って手伝いたい。
posted by しぐま at 14:40 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年10月04日

宇宙学

 「宇宙学」という言葉を使っている人がいた。

前後の文脈から考えて、単に「天文学」を間違えただけなんだろうけど、不思議と心惹かれる響きがあった。何故、天文学は宇宙学ではなくて天文学なんだろう?


 このブログでも何度か話題に出したと思うけど、「宇宙」は荘子の淮南子にある
四方上下謂之宇
往古来今謂之宙
からきている。つまり宇は空間を、宙は時間を示す(字源的にはどちらも空に下にある全てのものを意味するらしい)。だから、今ここにいる場所も、何万光年も彼方にある惑星も、夜間観測の帰り道に半分寝ながら自転車を運転していると曲がりそびれて学生服のまま水田に飛び込んだ恥ずかしい過去も、数ヵ月後には確実に起こりうるであろう氷の上で足を滑らされて転倒する情けない未来もひっくるめて「宇宙」なのだ。

それに対して「天文」は古代中国の占いの教科書である易経の記述が元になっている(たぶん)。易経のさまざまなところで「天文」という言葉は出てくるけど、総じて「天空上で起こること・またはそれに関する学問」を指しているらしい。「天」という字そのものは空の下で人が大の字になっている形から来ているので、字源的には「宇」や「宙」と似ている。「文」は、「記す」という意味から転じて書物や学問という意味をもっている。

さらに易経の中で天文と同じタイミングで「地文」や「人文」という言葉が出てくる。「地文」は地上で起こる事柄、「人文」は人間が起こす事柄・文明そのものを指す。天文を調べて時の流れを知り、地文を調べて世界の動きを知ることで、人文、つまり人間の処する道を決めよっていうのが易経の基本的な流れらしい。


 そういう意味では、天体現象を主に扱う以上、天文学は「天文学」であっているのだろう。でも、なぜか気になる「宇宙学」。どっかで使えないもんか……

ちなみに、「宇宙論」って分野はある。こちらは世界の成立ちを数式化しようという理論だから、「宇宙」という言葉がぴったりだ。
posted by しぐま at 17:31 | Comment(0) | 天文学と教育

2006年10月02日

体で学ぶ

 最近、体験型施設が活況のようで。というわけでニュースで見かけたものの中から行ってみたいもの一覧(行ったことがあるもの含む)。

リスーピア
 お台場、ゆりかもめ有明駅のそば。入館料(大人)500円。10:00〜18:00、月曜休館。パナソニックが運営する小学生向け理科と数学に主体をおいた体験学習施設。ちなみにFlashPlayer7以降という触れ書きなのに、Firefox1.5/FlashPlayer7 on Linuxでは閲覧できませんでした。

ソニー・エクスプローラサイエンス
 お台場、フジテレビ前。入館料(大人)500円。11:00〜19:00、無休? ソニーが運営する新技術主体の体験学習施設。

日本科学未来館
 お台場、ゆりかもめ船の科学館駅そば。入館料(大人)500円。10:00〜17:00、火曜休館。科学と技術両方をバランス良く取り込んだ科学館。一度行ったことあるけど、一日で回りきるのは無理。

国立科学博物館
 山手線上野駅前。入館料(大人・常設展示)500円。9:00〜17:00、月曜休館。体験学習施設とはちょっと違うけど、科学館の本家。学部生時代から、行きたい行きたいと思いつつ、行けてない。


 どこを選んでも、たぶん回るのに一日以上かかりそう。だから行きたい順番をちゃんと決めないといけなくて、それが大変。今度東京に行く機会があるときには、予定に組み込んでみようかな。
posted by しぐま at 21:51 | Comment(0) | 天文学と教育